新規部員さん募集のお知らせ

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開設当初は、ただ掲示板で
部員さんたちの作品を
展示するだけが
目的だったのですが
2015皐月祭の頃から
スライドショーの制作も
スタートいたしました
そこで、新しい部員さんを
随時募集しています。
小説や物語だけでな
ポエム等でも良いので
執筆が好きな皆さんの、ご入部を
部員一同心より
お待ち申し上げます。
執筆(大)好き♡同好会全メンバー

スライド【トモダチ】お詫び

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2015皐月祭公開作品『トモダチ』
こちらの公式ブログでも公開いたしましたが
1度確認したところ、EDロールに不備があるようでした
2015翔愛祭ではリメイク版を本校の方で公開すると共に
同リメイク版を、公式ブログで投稿予定です。
その際は宜しくお願いいたします。
監督、高梨より

【完オリ恋愛小説】柳枝×麗無

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冒頭『「運命の出逢い」って本当にあるんだ~謎の男が大体だけど?』

季節が秋から冬へと変わろうとしていたある昼・・・

駅のホームで羽織ったコートを

ボタンは止めないものの、ぴったり合わせて真ん中を握っていた色白の少女。

名は麗無(レナ)。

列車を待ちながら見回した時・・・

1人の少年が目につく。

黒みががった紫色の髪・・・

所謂カラコンと言うやつなのか・・・薄く黒みがかった赤い目。

瞳の中まで血が通っているかのような恐ろしい外見の少年だった。

おまけに無口で目が合ったと言うのに挨拶もしてこない。

ただの他人と思い麗無も一瞬何も知らぬフリをするも

少年の目は彼女から離れる気配がない。

彼女もまた・・・その赤い目に引き寄せられるかのように少年を見つめたが

列車の訪れと同時に乗車。

しかし、謎の少年も乗る。

同じホームにいたのだから当然なのだが、彼もこの列車を使うようだった。

何だか彼に恐れを感じた麗無は少年と離れた所に座る。

少年もまた何かを感じているのか…あえて麗無に近づこうとはしない。

謎の少年と極普通の少女…彼らは互い離れて座り同目的地へ。

その間一言も交わることはなかったのだが・・・

目的地のホームに降りたった時

突然少年が麗無に話しかけた。

「名前は?」

たった一言。

これまで同じ電車にいながら一言もなかった少年が

突然口を開いたと思ったら名を訪ねられた。

これには軽くカチンと来てしまった麗無。

「あなたは?」

少年は無言だ。

「人に訪ねる時はまずは自分から名乗るのが常識でしょ」

しばらく無言の少年。

「柳枝。」

「え?」

「僕は…柳枝」

「リュウシ…君?へ~変わった名前」

再び無言。そして・・・

「良く言われる(笑)」

不思議な感覚だった。

初めて麗無が見た笑顔。

しかし心の底からと言う感じではない。

言い方がおかしいかもしれないがまるで・・・優越の意を込めたような・・・

人をどこか小バカにしたような笑顔だった。

驚く麗無。

「何か?」

「ううん。ごめん。失礼かもだけど柳枝君って変わってるなって」

「それも良く言われる」

・・・・・・・・・

これでも会話は続いた方だ。

これが何とも不思議な出逢いだった訳であり幸せの始まり・・・は

まだ予測出来ていなかった。
———————————————————————–
出逢いの翌日…彼らはまた同じ場所で出逢い同じ列車に乗った。

今度は…お互い隣に。

「柳枝君は学校」

「行ってないよ」

「じゃ、何で駅に?」

「妹がこっちに・・・」

「どうして、一緒に暮らさないの?」

黙ってしまった。

「家庭の事情だったよね?ごめんもう聞かない」

柳枝は薄笑い。

それにしても無口な少年だ。

幼い頃…何らかの境遇で心を閉ざしてしまったのだろうか?謎は続く。

・・・・・・・・・

会話が出ない。

話題がないのだ。

自分の気持を表に出さない…と言うか出せない柳枝の事が

麗無にはまだ理解出来ずにいた。

必死に話題を探すもやはり無理だ。

・・・・・・
・・・・・・

2人でこれを何回繰り返した事だろう。

「話さないの?」

「そっちこそ」

・・・・・・
・・・・・・

何だかキリがない。
              ふたり
これほどまでに会話の弾まない男女がいただろうか。

・・・・・・
・・・・・・

2人延々無言のまま・・・列車は目的地に着いた。やっと会話が戻る。

「学校?」

「うん。まだ少し待つけどバス」

「そ」

「妹さんでしょ?」

「うん」

「・・・じゃね。」

「名前」

「ん?」

「昨日自分から名乗れと言うから名乗ったのに君名乗らなかったね」

「あ…ごめん。麗無。」

「…良いけど変わった名前だ」

「そうかな?」

「変わってる。じゃ。」

「うん」

彼らはそれから1週間・・・

初めて会った日と翌日以外週1の2日でしか会えなかった。

しかも、ほとんど無言。

まだ恋愛とは・・・言えない。
———————————————————————–               
                    ふたり
何週間か…週1に2回ずっと同じ状態だった男女。

「……妹」

「え?」

「妹が…君に会いたいって」

「妹さんが?」

頷くだけの柳枝。

「僕こんなだから…昔から友達とかいなくて・・・女とか余計に珍しいもんで」

「柳枝君・・・なんて暗いのはなぁし!私嫌いなんだよねぇ雰囲気も天気もジメジメ…」

「・・・じゃ」

「違う!友達のこと・・・嫌いな訳ない!」

少しだけ変わった。

同じ笑顔は・・・どこか嬉しそうな・・・まるで子供のような小さなものだった。

「・・・妹会いたいってし時間ある?」

「う・・・」

「ダメか。学校・・・あるもんね。バス待ってなきゃね」

「その家・・・遠いの?」

「ここから20分くらい」

麗無は腕時計を見る。

時刻表を確認。

目的のバスまで一時間近くはあった。

「あんまり・・・長くは話せないかもだけど大丈夫。
 まだ・・・バスまで時間あるから」

「・・・良かった。」

「・・・急ごっか」

「そだね」

柳枝に着いていくことにした麗無。

移動中の2人はいつものように無言だった。

マンションの一室扉の前。

「・・・ここ」

表札を見る麗無。

「澁澤」と

出ている。

「しぶさわ」

「分かるそれくらい!柳枝君って澁澤って名字だったんだ」

「違う」

「え?でも」

「ここは・・・ごめん。言いたくない。
 複雑なんだ僕ん家」

「・・・そんな感じだね。
 分かった」

ベルを鳴らす柳枝。

少女が出てきた。

彼より3つか4つ年下・・・15か16と言ったところか…

「あ・・・麗無さん?」

「えぇ。」

「初めまして。兄がいつもお世話になっているようで。」

「いえ。こちらこそ」

「どうぞ。お上がり出来ますか?」

「はい。少しだけなら」

異様な兄妹だ。

兄妹と言われれば頷けるようにどこか似ているのだが、妹の方は髪色も瞳も黒で

極普通の女子高生と言った感じだった。

家の中は手入れが行き届いている。親はいるようだ。

「あの・・・」

「兄さんは何も話さないでしょう?」

「えぇ・・・」

「知らない人にこう言う話をして良いのかどうか・・・」

「どちらでも。・・・お話しいただけるなら。」

頷く妹。

見た目からして現代風の女子と言った感じではなく落ち着いた昔ながらの日本女性・・・

とでも言っておこうか。

「兄がいつも・・・この昼を狙って来るのには訳があるんです。」

黙って聞いている麗無。

「今の両親は私達兄妹の実の両親ではありません。
 私が一緒に暮らしているのは、伯母と・・・母の再婚の相手の義理の父。
 私も兄も父とは認めたくありません。
 兄は、心を閉ざしているんです。」

麗無は言葉も出ない。

「母を突然亡くして・・・その日から父は、母に似ている兄だけ執拗に苛めるようになって。
 コキ遣い・・・殴る蹴るは当たり前・・・」

「酷い・・・」

「幸い・・・などと言っては悪いのですが、亡き父に似ていた私は父の苛めに合うことは
 ありませんでした。」

しばし無言が続く。

「兄さんは身心共に酷く傷つき、心を深く閉ざしてしまったんです。
 昔・・・両親健在の頃はとても明るく・・・優しく楽しい兄でした。
 母の再婚・急死の時から既に兄さんは傷つき・・・変わってしまったんです。
 あ・・・私とした事がほとんど知りもしない方に我が家の事情を長々と。
 お時間大丈夫ですか?」

腕時計を見る。

青ざめる麗無。

「・・・間に合いませんか?本当に申し訳ありません。時間を気に止めず」

「あはは。良いの良いの。
 往復20分でバス間に合わせるなんて、人ん家行ったら話す事になるの分かってて
 そもそも無理が」

「いえ。明らかに私のミスです。少しだけと言われていたにも関わらず。」

突然、扉の開く音が聞こえた。

表情が変わる柳枝。

「兄さん隠れて。私の部屋に」

兄を隠した妹。

「どうしよ」

「あなたはこちらへ。大丈夫です」

突然帰ってきた澁澤家主。

柳枝を苛めていたと言う父だ。

兄の靴だけ隠す。

「誰だ」

太った、目つきの悪い恐ろしい男。

「先輩。」

「嘘じゃねぇだろな」

「そんな嘘ついてどうすんの。父さん」

「あ?」

「先輩を駅まで送ってあげて。話聞いてくれてたせいでバスに間に合わなそうなの。
 先輩もう大学生だから学校行かなきゃ」

「たく!乗れ。バス何時だ」

「15時・・・35分です」

腕時計を見る男。

「間に合うか知らねぇが間に合わなくてもオレは知らねぇぞ。行くぜ」

「あ・・・はい。ありがとうございます。」

男の車で駅に着いた麗無。

ほとんどギリギリだったが間に合った。

軽く男に礼を告げバス停に急ぐ。

男はすぐに帰って行った。

柳枝は無事だったらしい。

父は忘れ物を取りに戻ってきたのだ。

しばらく探し、また出かけて行った。

「・・・兄さん、もう大丈夫。今日は帰って」

「彼女は」

「麗無さんなら大丈夫。父さんに駅まで送らせたから」

「そ。ありがと」

「ううん。あまり・・・遊びに来ない方が良いかも」

「怖い」

「だから・・・ね?」

頷く柳枝。

「体に気をつけてね」

また・・・ただ頷く柳枝。

玄関で最悪の鉢合わせ。

「柳枝!」

突然殴り飛ばされた柳枝。

男は妹を連れ家に入りながら怒声。

「オレの娘に関わるな!この疫病神が!」

父親が息子に浴びせる言葉ではない。

柳枝は余計に傷つきトボトボと帰って行った。

中章『過去に何があろうとも自分を想わない家族はいない・・・と思う 前編』

ある日、学校は休みだったものの、就活準備に

いつもの駅に用のあった麗無。

「おはよ」

突然話しかけられた。少し驚いて隣を見ると、また妹に会いに行くのだろう。

不思議少年柳枝がいた。

「あ。柳枝君。おはよ。」

「今日も学校・・なの?」

「ううん。ちょっと用があるだけ。学校は休み」

「僕は妹に」

「分かるよ。今までずっとそうだったじゃん。でも・・・大丈夫なの?」

「え?」

「お父さん」

「・・・・・・・・・・・・・・・あの人は父さんなんかじゃない。」

「でも・・・」

「前家で妹から聞いたろ。血の繋がりもないタダの意地悪だ。」

「柳枝君・・・そんな言い方は・・・しない方が良いんじゃ・・?」

珍しく怒った柳枝。怖い

「君に何が分かる!会ってたかが何週間かそこら先週家のことを聞いただけの君に・・・
 家の何が僕らの何が!」

少し怯える麗無。

「柳枝・・・君・・・」

しかしここで弱気になどなっていられない。

「分かんないよっ!
 だって柳枝君・・・一緒にいたって自分のこともそういうことも何にも話してくれないのに
 分かるわけない!でも・・・」

「でも何だよ」

「どんな理由があったのかは昨日妹さんから聞いたことしか分からないけど・・・
 お父さんはお父さんじゃない!」

「・・・・・何度も言わせないでくれ。あんなオヤジ父さんなんかじゃ・・・」

「柳枝君・・・」

駅に着く。柳枝に着いていくことにした麗無。

・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・

いつものようにマンションまで無言。

柳枝は突然固まり動揺を見せる。

「・・・・・・・・・・・・・・何・・・で・・・」

柳枝の見つめる先には信じがたい光景。

仕事に行っているはずの男がノブに手を触れていたのだ。

「あ・・・」

こちらに気づき見てくる男。

「・・・・・はぁ~。」

突然深いため息。そして・・・

「とっとと入りやがれ。・・・このバカ息子」

驚く柳枝。

「・・・・・・・僕はアンタの息子なんかじゃない。アンタの娘の元兄。ただそれだけだ」

「親父を認めねぇってか・・・んなバカ息子に育てた覚えは」

「アンタは僕を育てちゃいないだろ。育てるどころか、何度殺されかけそうになったことか」

柳枝は腕をまくる。無数の傷。麗無は思わず目を閉じる。

「酷い目にあったもんだ。アンタにやられた数々・・・一生消えない。
 自分の子供にこんなことをする男を父親だなんて認めたい子がどこにいる」

その傷を見つめ・・・怒りか悲しみか憐れみか・・・分からない目を見せた男。

「・・・悪かったよ!」

珍しく男を恐れず睨む柳枝。

「それで謝ってるつもりか。僕はアンタを父親だなんて絶対に認めない。
 僕がここにきてるのはアンタに会うためでも伯母さんに会うためでもない。妹に会うためだ」

「家族だろ」

「その家族を壊したのはアンタだ。忘れたのか。
 妹だけを引き取り愛娘とし兄貴は虐めて捨てた。
 それが現状だろ」

男はハッとする。それもそうだ。幼い柳枝に数々の暴行を繰り返し妹を引き離していったのは

他ならぬ自分だった

姉である、彼らの伯母の意見も聞かずに。

「・・・・・・んな昔のことまだ引きずってたのか。小せぇ男だな。オレの息子の癖して」

「アンタ・・・ボケたか?何度言わせれば気が済む。僕はアンタの息子なんかじゃないと」

突然柳枝を片手で抱き寄せる男。

「何すんだ離せ」

「悪かった。てめぇはアイツに似てる。そっくりだ。外も内も。
 あいつの分身みてぇなやつだ。」

「母さんの事か。あんたは母さんが好きで再婚したんじゃないのか」

「な訳あるか。あんな・・・」

「なら何で付いたんだ。何かに利用するためか」

「仕方なかったんだ。」

「仕方なしに男のガキを虐めて、女のガキを愛したのか?」

何も言えない男。

「あんたは母さんを苛めてなどいなかった。
 皮肉は叩いてたがそれはどこの家の親父もすることだろとあの頃は思ってた。
 忘れたなんて言わせねぇよ。
 あんたが僕を苛めるようになったのはその母さんが死んでからだ。」

「あぁ・・・そうだな・・・立ち話はなんだ。澄子の先輩もいることだし入れ。中で話すぞ」

「僕は帰る。」

「させるか。どうぞ」

呆気にとられていた麗無。

「・・・・え?あ!・・ほら。柳枝君」

柳枝の背中を軽く押しながら家に入る麗無。男は扉を閉める。

応接室のソファにどっかりと腰を下ろす男。

柳枝と麗無は並んで腰を下ろす。

義父子の睨み合いが続く。

「急にまた何のつもりだ。僕の顔を見て入れだなんて」

「家族が1つ屋根の下は当たり前だろ」

「驚いた。つい先週オレの娘に関わるなと僕を殴り飛ばしたのはどこの誰だ。
 随分と早い気変わりだな」

「次から次へと憎まれ口を叩きよって。あの純情はどこ行きやがった」

「アンタが消した。」

思わずクスっと笑ってしまった麗無。

柳枝が流し眼で睨む。

「何がおかしい」

「あ・・・いや。ごめん。別に」

そうは言ったものの、麗無は柳枝を「素直じゃないんだから(笑)」と思っていた。

「・・・・・今日はメシ食ってけ。姉貴も交えて家族で話そう。」

「あの・・・私はそろそろ失礼します。」

「そうか。何も構えず悪ぃな。こいつをリラックスさせてやってくれるか」

「僕にはリラックスなんて必要ない」

溜息混じりの柳枝の一言。

「送ってく。」

「あ。いえ。大丈夫です。今日はバスでないので」

「そうか。また・・・いつでもな」

「あ。はい。ありがとうございます。」

家を後にし駅へと戻る麗無。家の中は義父子2人きりになる。

「澄子は」

「今日は部活だ」

「そうか」

「部屋を用意してくれ。家族は1つ屋根の下だろ?」

「ここ使え」

通されたのは1つの部屋。割とシンプルだが生活用具一式は揃っていた。

「ちゃんと用意してたのか」

「家族だしいつかはな」

男の話をほとんど聞かず柳枝は部屋にこもる。

息子と話せず応接室に1人きりの男。

しばらくして妹の声

「ただいま。って父さん!なんでいんの」

「休みだ」

「そ」

澄子はいつもの廊下を通る。1室に人の気配。

「ここは確か・・・」

ノック。返事はない。

「兄さん・・・いるの?」

扉が少し開く。間から手招き。澄子は中へ。

「兄さん・・・なんで」

「分からん。あの男が僕を入れた」

「父さん許してくれたの?」

「今夜家族で話そだと」

「良かったじゃ」

「良いもんか。僕はあの男を父親だなんて思わない。お前も前彼女に言ってたろ。
 父親だなんて認めたくないと」

「だけど・・・兄さんも含めて家族でなんて。父さんは兄さんを家族にしたいんだよ」

「僕は違う」

「いい加減素直になりなよ。兄さんは私の兄さんだし父さんの息子。私達家族だよ」

「血の」

「血なんて関係ない!血の繋がりなんかなくても、家族にはなれるし家族!」

「どうだが。全ては今夜決まる。部屋に戻れ」

自室に戻る澄子。そして夕食時・・・

澄子が兄を呼び兄妹は居間へ。

話し合いが始まる。

「アンタ・・・家族とするんだね柳枝君を」

「そのつもりだ」

「あんたがそのつもりでも僕にそのつもりはない」

「ならなんで部屋なんか」

「今夜のこの話のためだ。一度帰るのも面倒だからな」

「兄さん結構くつろいでたじゃない」

「1人になれたからだ」

なかなか男と顔を合わせようとはしない柳枝。

「柳枝君」

「兄さん」

伯母と妹に後押しされ男を見る柳枝。

「・・・・この家にいろ。柳枝。スマン。今まで本当に酷く扱ってきた。家族だってのに」

「・・・・・今さら過ぎる。いてやっても良い」

「家にいるのがガキの仕事だ。」

「僕はもうガキじゃない。働く頃だ。」

男は柳枝を許し謝り、家族4人1つ屋根の下で暮らすようになった。

それから少しして突然・・・

「麗無。」

これには驚く麗無。

「え?柳枝君今何て?」

キョトンとする柳枝。

「麗無って・・・呼んだだけだよ。ダメだった?」

「ダメなんかじゃないけど・・・いきなり過ぎてビックリしちゃった」

「・・・そう。麗無」

「何?」

「今度さ・・・デートっての?しない?」

「え・・・?あ・・・うん」

「麗無・・・何か買いたい物とかある?行きたいとことか・・・」

「・・・特別欲しいものはないかな?」

「僕も・・・何もいらない。君がいるなら・・・何もなくても良いな。」

「柳枝君・・・」

「僕に・・・父さんと向き合う勇気をくれたのは麗無。君だったから。」

「私・・・何もしてないよ。柳枝君がお父さんと良くしたいって思ったからだよきっと。」

「・・・君がいなかったら・・・僕はあの男を父親と認める気はなかった」

「柳枝君・・・」

「ありがとう。麗無」

そう言いながら微笑む柳枝の顔は、これまで麗無が見てきた笑顔の中で一際優しい物だった。

「私も・・・」

「ん?」

「私も・・・柳枝君がいてくれるなら・・・何もいらない。」

最終章『過去に何があろうとも自分を想わない家族はいない・・・と思う 後編』

お互い微笑む。

「でも・・・デートはしよ」

「柳枝君」

「何?」

映画のチケットを2枚出した麗無。

「これ・・・兄妹の映画なんだって。見てみない?」

「うん。そうだね。あ・・・」

「どうしたの?」

「おかしくない?この格好」

「何で?カッコ良いよ。柳枝君は元が良いんだからどんな格好も似合うの!行こっ!」

「うん。」

2人が見た映画は・・・

素直になれなかった妹が突然兄を交通事故で亡くし冷たい態度を兄に謝り

その死を悲しみ苦しみながらも兄の思い出の笑顔を心の支えに生き続ける妹の話だった。

すっかり泣いてしまった麗無。

柳枝はギリギリ涙を目に貯め続けていたが…

一筋流れてしまった。

「なんか…情けないね。男が映画で泣いちゃうなんて」

「男の子だからって・・・泣かないより良いよ。素直で可愛い」

照れる柳枝。少し笑う麗無。楽しい時間は・・・

瞬く間に過ぎていった。

そしてその日別れの時・・・

「今日は・・・楽しかったね」

「うん。また・・・デート」

「静かなとこで・・・2人で過ごすのも良いかもね」

「うん」

柳枝の家の前まで一緒に帰って行った2人。

そこで別れ麗無は駅へ。自宅へ帰って行った。

記念すべき初デートは感動映画。まずまずの好スタートだろう。

——————————————————————————————–

すっかり恋人になった2人。週1の2日だけではなく会う日数が増えてきた。

会う度に2人で静かに過ごしたり彼の家族と食事を共にし楽しんだり

デートをしたりと満足な交際が続いていく。

お互い相手がそばにいてくれるだけで他には何も必要ないくらいに愛し合うようになったのだ。

その後も2人は順調に交際を進めて行った。

そして・・・1年ほどした成人後。

麗無の両親の許しを得た柳枝は、自分の両親に許しを得ようとする。

「・・・父さん。僕は本気なんだ」

「許さん!」

「お父さん。息子さんを大事に思う気持ちは分かります。
 ただ私は柳枝さんを心の底から愛しています。」

「まだ早すぎる!学生結婚など言語道断だ!柳枝だってまだ職すら」

「働いてるさ。会社で」

「私は既に卒業しました」

「麗無さんのご両親は僕達の結婚を許してくれている。だからあとは父さんだけだ」

口を出してきた、母に当る伯母。

「良いじゃないかアンタ。麗無ちゃんみたいなしっかりした綺麗な娘が
 柳枝君の嫁に来てくれたら大歓迎さ」

「・・・母さん」

「あたしゃ伯母さんだろ」

「けど・・・母さんでもある」

「好きに呼べば良いさ。アンタ許しておやりよ」

「柳枝」

「何?」

「家庭を作って支えてく覚悟はあんのか?それがねぇなら結婚は認められねぇな。」

「覚悟もないのに許可取りなんかしない」

「・・・・・仕方ないな」

ため息混じりの父。

「・・・麗無さん。柳枝をヨロシク頼む」

「はい!お義父さん!」

両家両親の許しが降り晴れて2人は結婚する事になった。
そして翌年長女麗慈(れいじ)も生まれ、幸せな家庭を築いて行った。

ーあとがきー
最後までご覧いただきありがとうございました
学生時代に執筆した作品です。

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この『執筆(大)好き♡同好会』では
趣味で物語や小説
ショートストーリーなど
執筆が好き(大好き)な
部員達が集まって週2回
金曜21時~・土曜22時~
定例会を実施しています。
学園祭でお客さんに自分たちの
作品を読んでいただき
より多くの感想をいただける為
どうしたら良いか等
議題は様々です。
皐月祭から、スライドショーの
制作も始めました。
基本条件はただ1つ
“執筆(物書き)が好き”という
ことだけです(^_-)
最低限入部時の自己紹介は
いただきたいです^^;
部員さんは、今のところ
私を除いて7名います。
いつでも気軽に仮入部をどうぞ♪
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